ストーリー

5.

そして――


4.

舞台は整った。
さあ、剣を取れ。四肢を切り落とせ。運命の芽を刈り取れ。単一の可能性へと収束せよ。
命を失い、心を散らした庭にこそかりそめの魔女(マーガレット)は降り立つ。


3.

背中に傷を持つその老人は、ただ黙々と剣を研いでいた。
歩み寄ると、気配に気が付いたのかピタリとそれを止める。

「オレみたいな歳になるまで生き残れるような剣師なんてのは、二種類しかいない。わかるかね?」

老人は立ち上がり、こちらへ振り向く。笑っていた。
「“強かった”剣師か、“弱い”剣師のどちらかさ。アッハッハッ」

「さて、あんたはどっちかな?」

白刃が閃いた。


2.

赤子を抱いた、白い衣を着ている女性が霞の向こう側に佇んでいる。
あなたは弾かれたようにそこに向かって駆け出すが、女性は酷薄に笑みを刻んだ。
「あなたはまだここには至れないわ」


1.

あなたは剣を取る。

あなたは年老いた。袈裟に振る剣を持ち上げる事もかなわない。剣は二度の剣戟を待たずして砕けるだろう。
すべての時間は、あなたにとって加速される。勝利を得たとして剣師としてのあなたは死に近づく。
だが、敗北の徒たらんあなたは死してなお夢を見ることを望んだ。

あなたは剣を取る。